調査

管理職を対象にした、AI(人工知能)に関する意識調査
5割の管理職が自社の発展にAIの導入が必要と捉えるも、 導入済は25%にとどまる。
最も大きな課題は、AI人財の不足
約7割の管理職が、日本のAI導入は諸外国に比べて遅れていると回答

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2021.02.04

人財サービスのグローバルリーダーであるアデコグループの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川崎 健一郎)は、上場企業に勤務する、40代から50代の管理職(部長職・課長職)800名を対象に、「AI(人工知能)導入に関する意識調査」を実施いたしました。

【調査結果サマリー】

<AI導入に関する意識>
1.3割以上が、「AIの導入をリードできる人財不足」、「AIを扱える人財不足」に課題感

2.今後の日本社会にAIは不可欠という認識が高い:日本の国際競争力にAI導入が必要(72.3%)、利便性維持に(73.9%)など

3.6割以上が日本のAI導入は諸外国に比べて遅れていると認識

<今後のAI導入に関する予想>
1.6割以上が、コロナ禍によって日本社会でAI導入が促進されると回答

2.約5割が、コロナ禍によって自社におけるAI導入が促進されると回答

3.AI導入が進む分野:「通信・インターネットサービス」(55.1%)、「市場調査・マーケティング関連」、「金融」(50.8%)など

4.AI導入が進むと予想される職種:「経理・財務」、「品質管理」、「企画・マーケティング」


<調査結果に関する弊社の見解>
今回の調査の結果について、アデコ株式会社取締役ピープルバリュー本部長の土屋恵子は、次のように話しています。「昨年は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、ビジネス現場においてDX推進の重要性が再認識される一年となりました。このような環境下で管理職は、AIの導入の必要性を感じながらも、導入をリードできる人財やデジタルに長けた人財不足を課題と捉えており、環境整備が喫緊の課題であることが浮き彫りになりました。環境の整備にあたっては、デジタル人財の登用にとどまらず、既存ビジネスとの有機的な連携を図る仕組みの構築やリーダーの育成、そしてそれらを支えるピープルファースト、あるいはグロースマインドセットを高める社内カルチャーの醸成が必要となります。正解がないVUCAの時代のおいては、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら、スピード感をもって推進することが企業には求められます」。



アデコ株式会社 取締役/ピープルバリュー本部長 土屋恵子
ケース・ウェスタン・リザーブ大学経営大学院組織開発修士課程修了。2015年より現職。ジョンソン・エンド・ジョンソン、GEなど、主にグローバルカンパニーで20年以上にわたり、統括人事・人材育成部門の統括責任者として日本およびアジアの人材育成、組織開発の実務に携わる。 一人ひとりの個性や強みが生きる、多様で自律的なチーム・組織創りをテーマに、リーダーシップ開発、企業の社会的使命の共有による全社横断の組織改革、バリューに基づく個人の意識や行動変革の支援、組織診断・制度浸透などを手がける。 




<調査結果詳細>

AI導入状況:半数以上が「導入済」または「3年以内の導入予定」
上場企業に勤務する、40代から50代の管理職800名を対象に、勤務先でのAIの導入状況を質問したところ、4分の1にあたる25.6%が「すでに導入している」と回答しました。また、「3年以内に導入を予定している」という回答も27.0%あり、半数以上は導入済または導入予定であることがわかりました。

 
AI導入における課題感:導入をリードできる人財、AIを扱える人財が不足している
勤務先でAI導入にあたり、直面している課題について質問したところ、最も多かった回答は「導入をリードできる人財がいない」で、次いで「AIを扱える人財がいない」という回答が多く、職場におけるAI人財の不足が課題感としてあることがわかりました。また、「AIに学習させるデータがない・整備されていない」という回答も多く、導入環境の整備が進んでいない状況が伺えます。
 

日本社会におけるAI導入の必要性:7割以上が、日本の国際競争力の維持や利便性向上にAIが必要と認識
日本が抱える課題に関してAIの導入が必要であると思うかを質問したところ、日本の国際競争力の維持については、「とても必要」(35.0%)、「まあ必要」(37.3%)の合計が72.3%で、7割以上の人が必要性を感じていると回答しました。また、最も必要性のポイントが高かったのは利便性向上で、「とても必要」(28.6%)、「まあ必要」(45.3%)の合計が73.9%でした。身近な生活用品にもAIが導入されるようになり、その利便性について実感していることが伺えます。

 
  日本のAI導入状況について:約7割が、日本社会のAI導入は諸外国よりも遅れていると感じている

諸外国と比較して日本国内のAI導入の状況について進んでいると思うかを聞いたところ、「遅れていると思う」が68.0%で最も多く、「進んでいると思う」と回答した人は僅か4.6%に留まる結果になりました。ボストン コンサルティング グループが2019年2月に発表している「企業の人工知能(AI)の導入状況に関する各国調査」によると、日本の「AIアクティブプレーヤー※」の割合は、調査対象国7か国中(日本、米国、中国、スイス、ドイツ、フランス、オーストラリア)で日本は最も割合が低いという結果がでています。今回の調査から、管理職の視点からも日本国内でのAI導入に対して遅れを感じていることがわかりました。

※「一部の業務をAIに置き換えている(またはパイロット実施)」、かつ「自社のAI導入を概ね成功している」と評価している企業。


 


コロナ禍による影響:新型コロナの感染拡大によって、AIの導入が進むと予想

新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、日本社会および勤務先においてAIの導入が推進されると思うかを聞いたところ、ともに「AI導入が進む」と予想する回答が多くありました。特に、日本社会において「導入が進む」と回答した人は64.3%いました。

 

AI導入が進む分野:新型コロナの感染拡大によって、AIの導入が進むと予想
日本社会において「AIの導入が推進される」と回答した人を対象に、どの分野で導入が進むと思うかを質問したところ、最も多い分野は「通信・インターネットサービス」、次いで「市場調査・マーケティング」、「金融」の順に多い結果となりました。

 
 

AI導入が進む職種: 「経理・財務」、「品質管理」、「企画・マーケティング」の職種で導入が進むと予想
勤務先において「AIの導入が推進される」と回答した人を対象に、どの職種で導入が進むと思うかを質問したところ、最も多かったのは「経理・財務」、次いで「品質管理」、「企画・マーケティング」等、数値やデータを扱う職種が多い結果となりました。

 

 

【調査概要】
調査対象: 一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の本社がある上場企業に勤務する管理職(部長職・課長職)800名
調査方法: インターネット調査
実施時期: 2020年12月5日~12月7日
※回答結果はパーセント表示を行っており、小数点以下第2位を四捨五入して算出しているため、各回答の合計が100%にならない場合があります。

プレスリリース(PDFファイル)PDF

 

本件に関するお問い合わせ先

アデコグループジャパン 広報部
Tel. 050‐2000‐7024