人財サービスのグローバルリーダーであるアデコグループの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川崎 健一郎、以下「アデコ」)は、日本国内で正社員として働く一般社員1,500人を対象に、新型コロナウイルス感染症の拡大との関連を中心としたテレワークに関する調査を行いました。
【調査結果のポイント】
- 緊急事態宣言前にテレワークをしていた正社員は全体の約2割で、そのうちの7割以上は新型コロナウイルス感染症の拡大がきっかけでテレワークをするようになった。また、緊急事態宣言前にテレワークをしていた正社員のうち、7割以上が従業員数1,000人以上の企業に勤務していた。
- 約4割の正社員が緊急事態宣言期間中に週1日以上テレワークをしており、そのうちの約6割は週4日以上テレワークをしていた。また、緊急事態宣言期間中に週1日以上テレワークをした正社員のうち、約7割が従業員数1,000人以上の企業に勤務していた。
- 緊急事態宣言期間中に週1日以上テレワークをした正社員のうち、約9割が今後もテレワークをしたいと考えており、その理由としてもっとも多く挙げられたのは、「通勤しなくて良いから」であった。しかし、緊急事態宣言期間中に週1日以上テレワークをした正社員も、そのうちの約6割が、「解除後は緊急事態宣言期間中より低い頻度でテレワークをする」もしくは「テレワークはしない(できない)」と回答した。
- 緊急事態宣言期間中にテレワークをまったくしなかった、もしくは週1日未満だった正社員は全体の約6割で、そのうちの約6割が、「今後は頻繁にテレワークをしたいと思うか」という質問に対し「いいえ」と回答した。「今後も頻繁にテレワークをしたいと思わない」理由のトップは、「仕事に集中できなさそうだから」であった。
<調査結果についての見解>
今回の調査の結果について、アデコ株式会社執行役員執行役員ジェネラル・スタッフィングCOOの平野健二は、次のようにコメントしています。「今回の調査で、テレワークをした正社員の割合が、緊急事態宣言期間中はその前と比べて2倍近くまで増えたことがわかり、新型コロナウイルス感染症の拡大がわれわれの働き方に大きな影響を与えたことが伺えました。ただ、緊急事態宣言期間中にテレワークをした方も、その多くが解除後は同じような頻度でテレワークをすることが難しいと考えており、テレワークはまだ働き方の『ニューノーマル(新常態)』にはなりきれていないようです。また、緊急事態宣言期間中にテレワークをしなかったり、テレワークはしても頻度が低かったりした方は、テレワークに対してネガティブな考えを持っていることもわかりました。調査結果を見ると、頻繁にテレワークをするほどそのメリットを感じるようになることが示されているため、雇用主側が主導してテレワークを推し進めることで、働く側のマインドも変わってくるのではないかと考えています。現在、感染拡大の第2波が懸念されており、今後も予断を許さない不透明な状況が続くことは確実であるため、テレワークの重要性は高まるばかりです。企業と働く人々のどちらもが、新しい働き方を積極的に推進し、それに順応していく必要があります」
<調査結果詳細>
(1)緊急事態宣言よりも前にテレワークをしていた正社員は全体の約2割で、そのうちの7割以上は新型コロナウイルス感染症の拡大がきっかけでテレワークをするようになった
全国の正社員として働く一般社員1,500人に対し、「4月7日の緊急事態宣言よりも前に、テレワークをしていましたか」と質問したところ(*1)、「はい」と回答したのが20.3%(305人)、「いいえ」と回答したのが79.7%(1,095人)でした。
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次に、「緊急事態宣言よりも前に、テレワークをしていた」と回答した305人に対し、「テレワークをするようになったのは、新型コロナウイルス感染症の拡大がきっかけですか」と質問したところ、73.4%が「はい」と回答しました。この結果から、新型コロナウイルス感染症の拡大が、テレワークを始める大きなきっかけになっていたことがわかりました。
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また、この305人を、勤務先企業の規模で比べたところ、71.1%が従業員数1,000人以上の企業に勤務しており、企業規模によってテレワークの状況に大きな差があったことがわかりました。
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(2)約4割の正社員が緊急事態宣言期間中に週1日以上テレワークをしており、そのうちの半数以上は週4日以上テレワークをしていた
全国の正社員として働く一般社員1,500人に対し、「緊急事態宣言期間中(*2)に、どれくらいの頻度でテレワークをしましたか」と質問したところ、36.0%(540人)が週1日以上テレワークをしていたと回答しました。週1日未満まで合わせると、全体の38.7%が緊急事態宣言期間中にテレワークをしていました。
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緊急事態宣言期間中のテレワークの頻度が週1日以上だった540人のテレワークの頻度を見ると、「週に4日以上」が59.1%ともっとも多くなりました。
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また、この540人を、勤務先企業の規模で比べたところ、71.1%が従業員数1,000人以上の企業に勤務しており、ここでも企業規模によってテレワークの状況に大きな差があったことがわかりました。
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(3)緊急事態宣言期間中に週1日以上テレワークをした正社員の約9割が今後も引き続きテレワークをしたいと考えている一方で、約6割が緊急事態宣言の解除後は「緊急事態宣言期間中より低い頻度でテレワークをする」もしくは「テレワークはしない(できない)」と回答
緊急事態宣言期間中のテレワークの頻度が週1日以上だった540人に対し、「今後もテレワークをしたいと思いますか」と質問したところ、86.9%が「はい」と回答しました。
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テレワークをしたいと思う理由としては、「通勤しなくて良いから」が91.3%ともっとも多く、日本で働く人々にとって通勤が大きな負担となっていたことが伺えました。
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しかし、緊急事態宣言期間中のテレワークの頻度が週1日以上だった540人に対し、「緊急事態宣言期間中と比べて、今後はどれくらいの頻度でテレワークをする見込みですか」と質問したところ、57.2%が「緊急事態宣言期間中より低い頻度でテレワークをする」もしくは「テレワークはしない(できない)」と回答し、テレワークが一時的な措置に留まっている企業が多いことが伺えました。
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(4)緊急事態宣言期間中にテレワークをまったくしなかった、もしくは週1日未満だった正社員は全体の約6割で、そのうちの約6割が、「今後は頻繁にテレワークをしたいと思うか」という質問に対し「いいえ」と回答
全国の正社員として働く一般社員1,500人に対し、「緊急事態宣言期間中に、どれくらいの頻度でテレワークをしましたか」と質問したところ、64.0%(960人)が、「テレワークはしなかった」もしくは「週1日未満」と回答しました。
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緊急事態宣言期間中にテレワークをまったくしなかった、もしくは週1日未満だった960人に対し、「今後は頻繁にテレワークをしたいと思いますか」と質問したところ、61.8%(593人)が「いいえ」と回答しました。
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その理由としては、「仕事に集中できなさそうだから」(28.5%)、「仕事とプライベートの切り替えが難しそうだから」(27.2%)、「業務に必要なコミュニケーションが取りづらそうだから(24.8%)」などが挙げられました。テレワークの頻度が少なく、新しい働き方に慣れることができていないため、メリットを感じられてない可能性があります。
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*1:回答者に対しては、ひと月に1日以上テレワークをしていた場合は「はい」を選択、それ未満の場合やまったくテレワークをしていなかった場合は「いいえ」を選択するよう指示
*2:回答者に対し、どの都道府県にいつ緊急事態宣言が発出され、また解除されたかを時系列で表示したうえで質問
【調査概要】
調査対象:
調査実施時点で以下の全ての条件に当てはまる、日本全国の20歳~59歳の男女
・正社員
・一般社員(役職なし)
・勤続年数1年以上
・新型コロナウイルス感染症の拡大を理由とする自宅待機や一時休業をしていない
サンプル数:
1,500人
(従業員数1,000人未満の企業に勤務:750人、従業員数1,000人以上の企業に勤務:750人)
調査方法:
インターネット調査
実施時期:
2020年6月25日~29日
プレスリリースに関するお問い合わせ
アデコ株式会社 広報部
Tel. 050‐2000‐7024