調査

職種とテレワークの関係についての調査
すべての職種で、テレワークの頻度が低いとテレワークへの抵抗感が強くなる
事務系の職種では、紙での書類処理や「ハンコ文化」の存在とデジタル化の遅れがテレワークの妨げに

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2020.07.29
人財サービスのグローバルリーダーであるアデコグループの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川崎 健一郎、以下「アデコ」)は、日本国内で正社員として働く一般社員1,500人を対象に、新型コロナウイルス感染症の拡大との関連を中心としたテレワークに関する調査を行いました。

【調査結果のポイント】
           
  • 4月~5月の緊急事態宣言前にテレワークをしていたのは、全体の約2割。テレワーク率がもっとも高かった職種は「IT(エンジニア)」、もっとも低かったのは「販売」。
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  • 全体の7割が、新型コロナウイルス感染症の拡大が緊急事態宣言前にテレワークを開始するきっかけになったと回答。
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  • 緊急事態宣言中のテレワーク率がもっとも低かった職種は「販売」、次いで「営業」。もっとも高かったのは「IT(エンジニア)」で、約7割が週1日以上テレワークで勤務。
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  • テレワークができなかった理由として、「勤務先の方針で認められなかったから」を選んだのは全体の2割程度。一方、全体の6割以上が、「自分の仕事はテレワークができない仕事である」と回答。
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  • 緊急事態宣言中にテレワークができなかった理由として、捺印・押印の必要性や紙の書類の取り扱いを挙げたのは、「財務・経理」と「総務・人事」が他の職種よりも15ポイント以上高い。
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  • 「財務・経理」と「総務・人事」の約4割が、「オフィスというプライベートと切り離された環境でないと、集中して仕事することが難しい」と考えており、他の職種よりも15ポイント以上高い。
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<調査結果についての見解>
今回の調査の結果について、アデコ株式会社執行役員執行役員ジェネラル・スタッフィングCOOの平野健二は、次のようにコメントしています。「今回の調査では、緊急事態宣言中であっても一般社員の6割以上がテレワークをまったくしなかったか週1日未満であったことがわかり、日本におけるテレワークの浸透には引き続き課題があることが明らかになりました。テレワークを頻繁に行った方は今後もテレワークを継続したいと考えており、反対に頻度が低かった方はテレワークに対する抵抗感が強いこともわかりました。テレワークを拡大するためには、経営層や管理職がリーダーシップを発揮し、一般社員が一定期間集中的にテレワークで勤務するようにするなど、新しい働き方に慣れることができる工夫が求められます。また、事務系の職種では、紙での書類の処理や、書類への押印・捺印の必要性と、こういった業務のデジタル化の遅れが、テレワークを妨げていることも示唆されました。柔軟な働き方を推進し、生産性を向上するという観点からも、業務の電子化をこれまで以上に積極的に進める必要性があると言えます」

<調査結果詳細>
(1)4月~5月の緊急事態宣言前にテレワークをしていたのは、全体の約2割。テレワーク率がもっとも高かったのは、「IT(エンジニア)」の35.0%、もっとも低かったのは、「販売」の1.3%。
全国の正社員として働く一般社員1,500人に対し、「4月7日の緊急事態宣言よりも前に、テレワークをしていましたか」と質問したところ※1、20.3%(305人)が「はい」と回答、79.7%(1,095人)が「いいえ」と回答しました。

職種別に見ると、テレワーク率がもっとも高かったのは、「IT(エンジニア)」の35.0%でした。逆に、もっとも低かったのは「販売」の1.3%で、対面での接客が業務の大半を占める職種でのテレワークの難しさが浮き彫りになりました。


(2)4月~5月の緊急事態宣言よりも前のテレワーク開始のきっかけは、新型コロナウイルス感染症の拡大。
4月~5月の緊急事態宣言前にテレワークをしていたと回答した305人に対し、テレワークをするようになったきっかけについて質問したところ、7割以上となる73.4%が、新型コロナウイルス感染症の拡大がきっかけであると回答しました。職種による大きな差はなく、どのような仕事でも、新型コロナウイルス感染症が働き方の変化に大きな影響を与えたことが伺えました。


(3)緊急事態宣言中のテレワーク率がもっとも低かった職種は「販売」、次いで「営業」。もっとも高かったのは、「IT(エンジニア)」で、約7割が週1日以上テレワークで勤務。
全国の正社員として働く一般社員1,500人に対し、「緊急事態宣言中(*2)に、どれくらいの頻度でテレワークをしましたか」と質問したところ、64.0%(960人)がテレワークをまったくしなかった、もしくは週1日未満だったと回答しました。

4月~5月の緊急事態宣言中に週1日以上テレワークをしたのは全体の36.0%(540人)で、21.3%は週4日以上テレワークをしていました。

職種別に見ると、「テレワークはしなかった」と「週1日未満」という回答は「販売」と「営業」に多く、「販売」の96.7%、「営業」の68.3%が、緊急事態宣言中でもテレワークまったくしていないか、もしくは週1日未満でした。逆にテレワークの頻度が高かったのは「IT(エンジニア)」で、67.3%が緊急事態宣言中に週1日以上テレワークをしており、半数近くとなる46.7%は、週4日以上テレワークで勤務していました。「総務・人事」も他の職種に比べるとテレワーク率が高く、20.3%は緊急事態宣言中に週4日以上テレワークをしていました。


(4)テレワークの頻度が低いと、テレワークに対する抵抗感が強くなる傾向
4月~5月の緊急事態宣言中に週1日以上テレワークをしたと回答した540人に対し、「今後もテレワークをしたいと思いますか」と質問したところ、9割近くとなる86.9%が「はい」と回答しました。職種ごとに見ても、すべての職種で「はい」が80%以上となりました。

一方、テレワークをまったくしなかった、もしくは週1日未満だったと回答した960人に対して、「今後は、頻繁にテレワークをしたいと思いますか」と質問したところ、6割以上となる61.8%(593人)が「いいえ」と回答し、すべての職種で「いいえ」の方が多くなりました。

この2つの結果から、テレワークの頻度が低いと、テレワークに対する抵抗感が強くなることがわかりました。新しい働き方であるテレワークを定着させるためには、一定期間であっても集中的に頻度を上げて、慣れることができる環境を作ることが有効であると言えます。

「今後も頻繁にテレワークをしたいとは思わない」と回答した593人に対し、なぜ頻繁にテレワークをしたいと思わないのか質問したところ、全体としてもっとも多かった回答は「仕事に集中できなさそうだから」(28.5%)で、次に多かったのが「仕事とプライベートの切り替えが難しそうだから」(27.2%)でした。

職種別に見ると、「総務・人事」と「財務・経理」の仕事に携わっている回答者は、テレワークに対して「仕事に集中できなさそう」「仕事とプライベートの切り替えが難しそう」という考えを、より強く持っていました。また、他の職種に比べて、オフィスで仕事をすることが習慣になっている回答者の割合が多く、心理的なハードルを下げる工夫が必要であることが伺えました。


(5)事務系の仕事では、紙での書類処理や「ハンコ文化」の存在とデジタル化の遅れがテレワークを妨げている
4月~5月の緊急事態宣言中にテレワークをまったくしなかった、もしくは週1日未満だったと回答した960人に対し、「緊急事態宣言中に週1日以上テレワークができなかった(もしくはしなかった)理由は何ですか」と質問したところ、もっとも多かった理由は、「そもそもテレワークができない仕事をしている」(63.1%)でした。

一方、「勤務先の方針で認められなかったから」と答えたのは、ほとんどの職種で2割前後となりました。緊急事態宣言中にテレワークをすることを認めなかった企業はそれほど多くなく、日本の企業は、全体としてはテレワークを推進もしくは容認する傾向であると考えられます。

テレワークを推進もしくは容認する企業が多いにも関わらず、すべての職種で「そもそもテレワークができない仕事をしている」という回答が多かったことから、働く側が「自分の仕事はテレワークができない」という先入観を持っている可能性があります。

「財務・経理」の回答者は、4月~5月の緊急事態宣言中に週1日以上テレワークをできなかった(もしくはしなかった)理由として、「必要な設備・機器・システムが整っていなかったから」と、「捺印・押印が必要な書類や紙を用いた業務が多いから」を選んだ割合が、調査対象となったすべての職種の中でもっとも多くなりました。請求書をはじめとする紙の書類に対応しなければいけない業務が多いことや、機密情報の取り扱いが多い業務であることが背景にあると考えられます。「財務・経理」におけるテレワークを推進するためには、書類や捺印・押印の電子化をより一層進める必要があると言えます。


*1:回答者に対しては、ひと月に1日以上テレワークをしていた場合は「はい」を選択、それ未満の場合やまったくテレワークをしていなかった場合は「いいえ」を選択するよう指示
*2:回答者に対し、どの都道府県にいつ緊急事態宣言が発出され、また解除されたかを時系列で表示したうえで質問

【調査概要】
調査対象:
調査実施時点で以下の全ての条件に当てはまる、日本全国の20歳~59歳の男女
・正社員
・一般社員(役職なし)
・勤続年数1年以上
・新型コロナウイルス感染症の拡大を理由とする自宅待機や一時休業をしていない

サンプル数:
1,500人
(従業員数1,000人未満の企業に勤務:750人、従業員数1,000人以上の企業に勤務:750人)

調査方法:
インターネット調査

実施時期:
2020年6月25日~29日

プレスリリースに関するお問い合わせ

アデコ株式会社 広報部
Tel. 050‐2000‐7024