アデコグループ、AKKA Technologiesの株式取得を合意
条項52LRに準ずる臨時発表
※本リリースは英語版リリースの日本語抄訳となります
ハイライト
アデコグループCEOのアラン・ドゥアズは、次のように話しています。
「本日、AKKA TechnologiesとModisが、画期的な取引により統合されることを発表でき、とても嬉しく思います。われわれはWorkforce SolutionとTalent Solutionsという世界的な事業に加え、テクノロジーとデジタルエンジニアリングにおけるグローバルなマーケットリーダーを創造しようとしています。統合後の会社はスマートインダストリーにフォーカスすることで、伸び続けるDXの需要を満たすことができ、世界の主要企業の信頼できるパートナーになるでしょう。
AKKA TechnologiesとModisを統合することで、われわれのFuture@Work戦略に大きな変革がもたらされます。これは、より高い成長性と利益率を持つ事業に対する、説得力のある投資です。今回の統合は、より予測可能で回復力のある収益をもたらし、すべてのステークホルダーに対して大きな価値を生み出すことでしょう。
ModisとAKKA Technologiesは、互いに共通する、テクノロジーと人財に対する情熱と、ダイナミックで起業家精神にあふれる文化によって結び付けられ、強力に補完し合います。また、アデコグループのエコシステムは、AKKA Technologiesとそのエンジニアチームに対して、刺激的な新しい機会を提供することができると考えています。それは、この統合によって、Technology SolutionsとWorkforce SolutionsおよびTalent Solutionsとの結び付きがこれまで以上に強くなるからです」
AKKA Technologiesのマウロ・リッチ会長兼CEOは、次のように話しています。
「Modisとの統合により、スマートインダストリー領域で第2位のグローバルプレイヤーとなる企業が誕生するという本日の発表は、AKKAの歴史におけるターニングポイントとなります。顧客が必要としているイノベーションは終わりのない物語です。われわれが価値のある長期的なパートナーであり続けるためには、常に進化し、新たなテクノロジーやスキルに投資し続ける必要があります。エンジニアリング業界は変化しており、その最終段階まで行きついていません。そのような状況の中、Modisはわれわれの歴史に新たな章を共に書き加えることのできる、理想的なパートナーであると確信しています。
新たに加わる最先端のデジタルエンジニアリングスキルと、われわれが数十年にわたり素晴らしい顧客と協力して獲得してきた製品ライフサイクル全体のエンジニアリングに関する深い専門知識を組み合わせることで、すべてのステークホルダーに対して価値が生み出されます。エンジニアたちには刺激的な機会が提供され、顧客と共にイノベーションを続け、テクノロジーに対する情熱を表現し続けるための、より大きな活動の場にアクセスできるようになるでしょう」
Modisプレジデントのヤン・グプタは、次のように話しています。
「本日は記念すべき日です。これは、ITとエンジニアリング技術がデジタルで結び付く、スマートインダストリー領域における牽引者になるというわれわれのミッション実現に向けた大きな飛躍です。われわれはAKKA Technologiesと力を合わせ、エンジニアリング市場におけるAKKAの実績と、Modisの強力なデジタル体験を結び付けることを楽しみにしています。互いに協力し、経験豊富なエンジニアやデジタル専門家たちを通じて最先端のソリューションを提供します。
今回の統合により、われわれはエンジニアリングとデジタルソリューションのグローバルにおける有力企業になります。世界中で体制の整った信頼できるパートナーとして、技術的な困難を抱える顧客や、変革を拡大するためにわれわれのサービスやスキルを必要としている顧客の、加速度的に高まっている需要に応えることが可能になります。われわれは市場をリードし、最前線に立って顧客やパートナーのためにイノベーションと市場投入時間の短縮を加速させるという、共通した野心を持っています。手を取り合いよりスマートな未来をエンジニアリングしてまいります」
取引の概要
スマートインダストリーのグローバルリーダーへ
アデコグループ取締役会および経営陣は、リッチ一族およびCompagnie Nationale à Portefeuille SAの子会社SWILUX S.A.と、彼らの保有するAKKA Technologiesの株式を取得し、アデコグループに同社の支配権を与えることで合意に達したことを嬉しく思います。その後、アデコグループは残りのAKKA Technologies株式について、強制公開買付を開始する予定です。
企業価値20億ユーロの取引対価は、1株あたり49ユーロの買付価格、または発行済株式資本の100%に対する15億ユーロの株主価値と、2021年6月末現在のAKKA Technologiesの純金融負債を反映しています(*4)。合意された購入価格は、10.6倍のEV/EBITDA倍率(2022年推定値)を表します(*5)。
AKKA Technologies(以下「AKKA」)は、ベルギーに本社を置き、約20,000人のエンジニアとデジタルの専門家を雇用する、エンジニアリングR&Dサービス(以下「ER&D」)のグローバルリーダーであり、ヨーロッパおよびモビリティ分野(自動車、航空宇宙、鉄道)で強い存在感を示しています。データ分析、IoT、自律運転、モバイルサービス、そして組み込みソフトウェアといった最先端テクノロジーにおいて、デジタルの専門知識を深めてきました。それらの専門知識の中には、2020年のData Respons社の買収を通して取得したものもあります。同社の2020年の収益の75%が、デジタルと組み込みソフトウェア分野の活動から生み出されたものです(*6)。AKKAは2019年の収益を18億ユーロ、2020年は15億ユーロと報告しています。2019年の調整済み営業利益率は8.0%、2020年は新型コロナウィルス危機の影響で1.3%でした(*6)。
魅力的な市場で勝利するための体制を整備
アデコグループはAKKAとModisを統合する計画です。これにより新たな会社は37億ユーロの収益を生むとともに、50,000人のエンジニアとデジタルの専門家を擁して総合的なIT、エンジニアリング、デジタルのサービスを提供する、ER&D市場で世界第2位の企業となります。規模とノウハウが強化されることで、この強力なプラットフォームはAKKAとModisに対し、将来のスマートインダストリー領域におけるリーダーシップを推進するための魅力的な機会を提供します。
スマートインダストリーは、破壊的な技術と持続可能性の急速な進展を後押ししています。研究開発費の持続的かつ大幅な増加を支えているのは、技術革新のペースです。ITとエンジニアリング技術の技術的収束が起こっているため、イノベーションのデジタル志向はますます強まっています。
世界のER&D市場はデジタルエンジニアリングに対する2桁の需要に牽引されて、2023年までに2兆ドルに拡大すると見込まれています(*7)。2023年の世界のER&D支出に占めるデジタルエンジニアリングの割合は、2020年の36%から47%へと増加すると予想されています(*7)。これらの分野で付加価値を提供することのできるER&Dサービス企業が、中期的に8%のCAGRで成長することが見込まれるこの市場においてもっとも利益を得ることになるでしょう(*7)。
AKKAとModisの高い相互補完性
世界の主要な企業は、グローバルな存在感と能力を持つ信頼できるパートナーをこれまで以上に求めています。AKKAとModisは、AKKAが持つ世界のOEM企業との長年にわたる関係性と、30か国以上にわたる相互補完的な事業拠点を活用することで、顧客に対しサービスを提供するのに適した体制が整います。統合後の会社はEMEAから約50%、北米から約30%、および日本とオーストラリアを筆頭にアジア太平洋から約20%の収益を生み出します(*8)。ヨーロッパにおけるAKKAの強力な存在感がModisに新たな機会をもたらす一方で、アジア太平洋におけるModisの強みと北米における位置付けがAKKAの機会を上積みします。
一方、Modisのバランスの取れた事業ポートフォリオは、モビリティ分野におけるAKKAの確固たる地位によって強化され、統合後の会社はもっとも魅力的かつ大きなデジタルエンジニアリング分野のいくつかに対し、その存在感を強めることになります。統合後の会社では、モビリティが収益の約40%を占める最大の事業分野になると予想されます。そして、ソフトウェア&テクノロジーサービスが収益の約15%を占める2番目に大きな分野になるでしょう(*8)。
より広範な能力とサービスがさらなる成長を掴むための機会をもたらす
Modisの分野横断的な深い専門知識と、既存のテクノロジーやデジタルエンジニアリングの能力は、AKKAによって補完されます。AKKAは最高クラスのER&Dと、自動運転やインフォテインメントなどの革新的な技術に関する貴重な専門知識を提供します。さらにAKKAは、設計からプロトタイピング、テストに至るまで、製品のライフサイクル全体を通して顧客と協力します。統合後の会社は、デジタルツイン、IoT、クラウド、サイバーセキュリティ、データ分析、人工知能、接続性、モバイルサービスなどの最先端テクノロジーにおける広範な能力を享受することになります。
近年、研究開発の優先順位と働き方が大きく変化し、テクノロジーの採用と革新的なソリューションに対する需要を加速させています。顧客はプロジェクトの複雑さの軽減と、信頼できるサプライヤーとの関係性強化をますます求めるようになっています。AKKAとModisは統合によってより幅広いサービスを提供できるようになり、その経験豊富な経営陣のもとで、これまで以上に選ばれる戦略パートナーとなります。
統合後の会社は、オンショア、ニアショア、オフショア機能を含むエンドツーエンドサービス、そしてTech Academyを通じたスキルアップおよびリスキリングサービスによっても差別化されます。さらに、AKKAとModisはアデコグループのより幅広いエコシステムを通して、より総合的なソリューションを求めている顧客に人財ソリューションを提供できるようになり、さらなる成長が推進されます。
Future@Workの提供を加速
今回の取引は、成長がより速く、利益率がより高い分野に投資するというアデコグループの戦略的コミットメントと一致するものであり、2021年の初めに施行されたグローバルビジネスユニット構造を通して生み出される価値を実証しています。
アデコグループはこの買収がグループのポートフォリオミックスにおける有益な変化を加速し、価値の高いテクノロジー主導の活動に向けてグループをさらに多様化することを期待しています。統合後の会社は拡大された規模で運営され、より幅広いアデコグループのエコシステムを強化して、それぞれのGlobal Business Unitへターゲット市場における主導的な地位をもたらします。
AKKAとModisが以前に発表したModis単独ベースでの中期市場成長範囲である3~6%の上限で成長し、その後、航空宇宙業界の回復が勢いを増すにつれ成長が加速すると、アデコグループは予想しています。
今回の取引によって長期サイクルの活動への露出が増えることで、アデコグループの利益の質と回復力が改善されます。これはER&Dサービスの性質によるもので、不況期であっても市場の主導権を維持するためにイノベーションへ投資する顧客向けの、複数年プロジェクトが含まれるためです。
強力な価値創造機会の創出
この買収は、構造的な成長市場への露出を高めることで、アデコグループのステークホルダーに対し大きな価値を生み出します。テクノロジーソリューションがグループの収益に貢献する割合は11%から17%に高まると予想されます(*9)。試算ベースのグループ収益は2020年が211億ユーロ、2019年は253億ユーロでした9。今回の買収も1年目から利益率を高め、より利益率が高いスマートインダストリー市場での事業拡大に戦略的な焦点を置くことで、今後さらに利益率を高めることになるでしょう。
ModisとAKKAは顧客の重複が限定的で、事業拠点が補完的であるため、強力な相乗効果が推進されると見込んでいます。アデコグループはさらに、主にクロスセルによって推進される収益の相乗効果が、継続的なランレートに基づき税引前で2億ユーロを超えることを確認しています。AKKA、Modis、そしてアデコグループは互いの広範な顧客ネットワークからメリットを得る一方で、AKKAとModisの統合においては新会社がより大きなシェアのプロジェクト価値を獲得できるようになることが期待されます。アデコグループは統合後の会社全体の成長と人財に対する投資を継続する一方で、主に不動産の最適化、一般管理費の重複削減、およびエンジニアの利用率改善を通して、反復的なランレートに基づく税引前で6,500万ユーロの費用相乗効果があることを確認しています。
相乗効果の大部分は3年目の終わりまでに獲得され、AKKAの現在のリストラプログラムに上乗せされます。このリストラプログラムは着実に進んでいることをAKKAが確認しています。すでに統合チームが設置されており、統合プロセスの準備を1日目から確実に整えて効果的に管理することを可能にし、その後、相乗効果や事業目標、人財管理目標の提供ができるようにしています。
今回の取引により1年目からEPSが増加し(*10)、3年目でEVAがプラスになる予定です。
取引と資金調達の詳細
今回の取引は2022年上半期中に完了する見込みです。第1段階において、AKKA Technologiesの発行済み株式資本を合わせて約60%、議決権を約68%所有するRicci Family GroupおよびCompagnie Nationale à Portefeuille SAの完全子会社SWILUX S.A.が、保有する株式をアデコグループに対し同時かつ同価格で売却することを撤回不能な形で義務付けています。この最初の段階は、2022年第1四半期初旬の完了が予想されます。ただし、特にあらゆる規制上の承認の取得など、多くの慣習的条件を先に満たすことが前提となります。
AKKA Technologiesの発行済み株式資本を合わせて33.10%保有するマウロ・リッチ氏とジャン=フランク・リッチ氏は、1株あたり42ユーロの現金に加え、1株あたり7ユーロ相当の価値のアデコグループの新規普通株式を対価とする提案を受け入れることで合意しています。同新規普通株は授権株式から発行され、24ヶ月のロックアップ期間を設けることでマウロ・リッチ氏とジャン=フランク・リッチ氏が合意しています。
AKKA Technologiesの発行済み株式資本を合わせて26.81%保有するCompagnie Nationale à Portefeuille SAの完全子会社SWILUX S.A.およびリッチ一族の他のメンバーは、全て現金で1株あたり49ユーロとする提案価格を受け入れることで合意しています。この合意は、7,927,487個の発行済み利益分配証明書のリッチ Family Groupによる放棄、およびその後のAKKA Technologiesによる無効化も条件としています。
買収の第一段階が完了すると、アデコグループはAKKA Technologiesの議決権付株式の約48%を所有することになります(*11)。その結果、アデコグループは残りのAKKA Technologies株式について、ベルギーとフランスで1株あたり49ユーロの同じ現金価格で強制公開買付を開始する必要が生じます。強制公開買付は無条件です。そのためAKKA Technologies株式の保有者は保有株式を1株あたり49ユーロで提供するか、あるいは新株予約権または転換社債を等価の現金と引き換えに提供することになります。関連する承認が得られることを条件に、アデコグループは強制公開買付の開始時期を2022年第1四半期末頃と予想しています。適用される公開買付規則に基づく強制公開買付に関する連絡は、いずれ行われます。
AKKA Technologiesの取締役会は、全会一致でこの公開買付を推奨することを約束しています。
1株あたりの買付価格は、2021年7月23日現在の株価22.82ユーロに対して114.7%のプレミアム、および過去3ヶ月の出来高加重平均価格に対して108.4%のプレミアムが上乗せされていることを表しています。
強制公開買付終了後、簡易的なスクイーズアウトの条件が満たされていれば、アデコグループはAKKA Technologiesの全ての株式、新株予約権、転換社債の取得、並びにEuronext BrusselsおよびEuronext Parisでの上場廃止を目的にそのようなスクイーズアウトを実施するつもりです。
今回の取引のための資金は、主に約10億ユーロの新規上位社債、5億ユーロの新規ハイブリッド債、および授権株式からの新規普通株の発行による最大3億5,000万ユーロの総収入を通して調達されます。同新規普通株には、マウロ・リッチ氏およびジャン=フランク・リッチ氏が受け取る分が含まれます。この取引のための10億ユーロのつなぎ融資は全額確保されています。
アデコグループの累進配当コミットメント、純負債/EBITDA比率1倍の目標、および高い投資格付けなどの資本配分方針に変更はありません。今回の発表を受け、アデコグループは以前に発表した自社株買いプログラムを保留することを決定しました。2021年7月23日現在、アデコグループはこのプログラムに基づき1,271,388株を7,900万フランで取得しています。
Société GénéraleとCredit Suisseがアデコグループの金融アドバイザーを務め、Sullivan & Cromwell LLP、Eubelius CVBA、およびBratschi AGが法律顧問を務めました。Linklaters LLPがAKKA Technologiesの法律顧問を務めました。
*1:企業価値は15億ユーロで取得する株式の100%に、報告されている2021年6月末現在の純負債を加え、IFRSに基づき持分法で会計処理されるODIRNANE債(1億7,500万ユーロ、初回償還可能日は2025年)を除外して推定。コンセンサス予想に基づく倍数。(出処:Société Générale)
*2:一時的な統合および実施費用を除く。
*3:取引完了時に、利益分配証明書を所有するリッチ Family Groupのメンバーはそれらを放棄し、その後それらの利益分配証明書は無効となります。
*4:IFRSに基づいて持分法で会計処理されているODIRNANE債を除く(1億7,500万ユーロ、初回償還可能日は2025年)。
*5:コンセンサス予想に基づく倍率。(出処:Société Générale)
*6:2020年度 企業年次報告書
*7:Zinnov Research & Analysis:2021年5月度 企業のER&D戦略と焦点。
*8:経営陣による推定、2020年の結果に基づく試算。
*9:2020年度の試算結果に基づく経営陣による推定。
*10:一時的な統合および実施費用を除く。
*11:39,137,565株および利益分配証明書を合わせた合計のうち、18,698,822株。
アデコグループジャパン 広報部
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