管理職を対象にした、副業・複業に関する調査(2018年・2021年比較)
直近3年で「副業・複業」を認める企業は15ポイント増加
- 認める理由「イノベーションや新事業の創出につながる」が、2018年より増加 ー
人財サービスのグローバルリーダーであるアデコグループの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川崎 健一郎)は、この度、上場企業に勤務する30代から50代の管理職(部長職・課長職)510名を対象に「副業・複業※1に関するアンケート調査」を実施しました。本調査は、2018年にも同条件の対象者に実施しており、経年による意識の変化についても比較分析しています。
※1)本調査では、副業を「本業の合間に行うサブ的な仕事」、複業を「複数の仕事をすべて本業として行うこと(兼業)」と定義しています。
【調査結果サマリー】
1.勤務先での「副業・複業」の許可: 約4割以上の企業で「副業・複業」が認められている。2018年より15ポイントアップ
<調査結果に関する弊社の見解>
今回の調査の結果について、アデコ株式会社取締役ピープルバリュー本部長の土屋恵子は、次のように話しています。「今回の調査により、『副業・複業』という働き方に対して、管理職の意識に一定の変化があったことが分かりました。2018年に実施した際には、「副業」=副収入を得るための仕事というイメージが強く、企業としても従業員の長時間労働に対する懸念から許容する企業が22.8%にとどまっていましたが、3年の間に37.2%に増加していることが分かりました。また、注目すべきは許可の理由として、「社員のスキルアップになる」、外部人財参画による「イノベーションや新規事業の創出につながる」といった項目が上位にあがってきたことです。これは大きな意識の変化といえるでしょう。
しかし、全体を俯瞰してみると「副業・複業」を許可していない企業が半数以上あることや「副業・複業」を行っている人の雇用に消極的な企業の姿勢がみられます。
副業・複業を通じて、一つの企業では得ることができないキャリアや経験を獲得することが可能となり、人生100年時代を生き抜く自律的なキャリアの構築にも役立ちます。企業は、柔軟な働き方や組織のあり方について一層理解を深めることが必要になっています。」
<調査結果詳細>
勤務先での「副業・複業」の許可:約4割以上の企業で「副業・複業」が認められている。2018年より15ポイントアップ
上場企業に勤務する30代から50代の管理職(部長職・課長職)510名を対象に勤務先での「副業・複業が認められているか」について聞いたところ、「認めており、推進している」(8.0%)、「認めている」(29.2%)で、合わせて37.2%と約4割の企業で認められていることがわかりました。これは、2018年の22.8%よりも14.4ポイント高い数値で、企業の「副業・複業」に対する許容度が3年間で高まったことがわかりました。その一方で、「禁止している」という回答が51.8%あり、依然として半数以上では禁止されている現状がわかりました。
また、「認めており、推進している」または「認めている」と回答した190名を対象に、認められた時期について質問したところ、2020年1月以降が53.2%となり、コロナ禍により働き方の多様性の高まりとともに「副業・複業」への許容度が高まったことが伺えます。
※1:首都圏1都3県は3月17日まで
将来的に社員に副業・複業を認めることを検討している:2割以下にとどまる
勤務先で、自社の社員に対する副業・複業を「禁止している」と回答した管理職338人に対し、「勤務先では、自社の社員に副業・複業を将来的に認めることを検討しているか」について質問したところ、「認める方向で検討中」が2.7%、「一定の懸念が解消されれば、認めることを検討する」が14.4%で、ポジティブな検討をしていると回答した人は17.1%にとどまりました。
管理職510人に対し、「勤務先で、他社や個人事業主としての仕事が本業の労働者を受け入れているか」という質問に対して、「すでに受け入れている」と回答した人は24.2%でした。2018年には同質問に対する回答は22.6%で、企業が「副業・複業」を行っている労働者に対する受入れ度にはあまり変化がなかったことがわかりました。 今後、「副業・複業」がより推進されるためには、企業の許可だけではなく労働者を受け入れる企業の採用の柔軟性も必要になると考察されます。
今後、「副業・複業」が日本で広がる:7割以上が広がると予想
管理職510名に対し、「今後、日本では副業・複業が広がると思うか」を聞いたところ、「広がると思う」(29.4%)、「どちらかというと広がると思う」(43.5%)で、7割以上の人がより「副業・複業」という新たな労働スタイルが国内でも広がっていくことを予想していることがわかりました。
アデコグループジャパン 広報部
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