調査

新卒入社後3年以内に離職しなかった若手社員を対象にした調査:
新卒入社4年目を迎えた若手社員の8割が、退職を考えたことがある
退職を検討したが会社に残ることを選んだ理由は、「有休が取りやすい」から

  • このページをFacebookでシェアする
  • このページをTwitterでシェアする
  • このページをLinkedInでシェアする

人財サービスのグローバルリーダーであるAdecco Groupの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川崎 健一郎)は、この度、新卒として入社した企業での勤務が4年目を迎えた日本全国の若手社員600人(男性:300人、女性:300人)を対象に、新卒入社後3年以内に離職しなかった理由などを尋ねる調査を実施しました。

日本では、新規大卒就職者の就職後3年以内の離職率が3割前後で推移する状況が長く続いており、企業にとっては大きな負担となっています。今回の調査は、新卒入社後3年以内に離職しなかった社員にアンケートを行うことで、新卒を採用する企業が離職率改善に向けて取り組むための一助となることを目指しています。

【調査結果のポイント】

  • 勤務先への入社を決めた理由としてもっとも多かったのは「興味のある業界だった」(36.5%)
  • 全体の8割以上が退職や転職を考えたことがあり、退職・転職を考えた理由としてもっとも多く挙げられたのは「年収が少ない」
  • これまでに退職や転職を考えたものの、現在の勤務先に残ることを選んだ理由としてもっとも多く挙げられたのは「有休が取りやすい」
  • 今後、退職や転職を検討する要因になるものとしてもっとも多く挙げられたのは「年収のダウンや伸び悩み」(44.3%)
  • 全体の約6割がキャリアビジョンを持っているが、そのうちの約4割は現在の勤務先でキャリアビジョンを実現するのが難しいと考えている
  • 現在の勤務先ではキャリアビジョンを実現するのが難しいと思う理由としてもっとも多く挙げられたのは「昇進・昇格が難しい」(34.1%)

<調査結果についてのコメント>
今回の調査の結果について、アデコ株式会社 ピープルバリュー本部長 籾山 直威は、次のように話しています。
「今年から採用直結型のインターンシップが解禁され、企業による新卒生の採用活動は大きく変わることが見込まれています。一方、日本では、新卒で入社した社員の3割前後が3年以内に退職する、いわゆる『3年・3割』の状況が長く続いています。今回、我々は、新卒入社後4年目を迎えた若手社員にフォーカスし、なぜ3年以内に退職せず、勤務先に残ることを選んだのかなどを調査しました。

アンケートの結果、勤務先に残ることを選んだ社員も、8割以上が退職・転職を考えたことがあることがわかりました。その理由としては、『年収が少ない』が1位となっていました。将来的に退職や転職を検討する要因となるものについての質問に対しても、もっとも多かった答えは『「年収のダウンや伸び悩み」で、若手社員にとって給与・賞与が大きなファクターになっていることが伺えます。しかし、これらの人財は、結果的に勤務先に残ることを選んでいます。その理由としてもっとも多く挙げられたのは、『有休が取りやすい』であり、現在の若手社員は、収入よりもワークライフバランスを重視している可能性があることが分かりました。有休の取りやすさは、制度よりも、同僚や先輩・上司との関係をはじめとする職場環境に大きく左右されます。気兼ねなく有休の取得を申し出ることができるような職場の雰囲気づくりに取り組むことが、若手社員の定着率向上につながると考えられます。

また、キャリアビジョンを持っているかどうかについて質問したところ、約6割がキャリアビジョンがあると回答していました。しかし、そのうちの約4割は、現在の勤務先でキャリアビジョンを実現することは難しいと考えていることが分かりました。なぜそのように考えているのか質問したところ、もっとも多かった回答は、『昇進・昇格が難しい』でした。若手にも等しく昇進・昇格の機会を提供するなど、社内でステップアップできる道筋を示すことも、若手の定着につながると考えられます」

アデコ株式会社 ピープルバリュー本部長
籾山 直威

2003年、サンダーバード国際経営大学院卒。2022年より現職。現職就任までの5年間は、ゴディバ・ジャパン株式会社においてHR Director、日本・ベルギー・オーストラリア・ニュージーランド・韓国を統括するグループHRヘッド、常務執行役員を歴任。2014年から約3年間は、アデコ株式会社にHR Development Directorとして在籍し、企業文化の醸成、採用活動やトレーニング、タレントマネジメントを通じた社員の人財開発および企業の成長に貢献。それ以前は、トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社や日本ヒルティ株式会社など、複数の多国籍企業においてタレントマネジメントや組織開発、制度設計に従事した経験を持つ。

<調査結果詳細>
1. 現在の勤務先への入社を決めた理由としてもっとも多かったのは、「興味のある業界だった」。

新卒で入社した企業での勤務が4年目を迎えた日本全国の若手社員600人に対し、「現在の勤務先への入社を決めた理由は何ですか?」と質問したところ、入社を決めた理由としてもっとも多かったのは「興味のある業界だった」(36.5%)でした。

2. 新卒入社4年目を迎えた若手社員の8割以上が、退職や転職を考えたことがある。退職・転職を考えた理由としてもっとも多かったのは、「年収が少ない」。会社に残ることを選んだとしてもっとも多く挙げられたのは、「有休が取りやすい」。
新卒で入社した企業での勤務が4年目を迎えた日本全国の若手社員600人に対し、「これまでに退職や転職を考えたことがありますか?」と質問したところ、81.8%(491人)が「考えたことがある」と回答しました。

続けて、「退職や転職を考えたことがある」と回答した491人に対し、「退職や転職を考えた理由は何ですか?」と質問したところ、もっとも多かった回答は「年収が少ない」(47.5%)でした。
さらに、「退職や転職をしないで、現在の勤務先に残ることを選んだ理由は何ですか?」と質問したところ、もっとも多かった回答は「有休が取りやすい」(28.1%)。



3. 退職や転職を検討する要因としてもっとも多く挙げられたのは、「年収のダウンや伸び悩み」
新卒で入社した企業での勤務が4年目を迎えた日本全国の若手社員600人に対し、「今後、退職や転職を検討する要因になるものをすべて選んでください」と質問したところ、要因になることとしてもっとも多く挙げられたのは「年収のダウンや伸び悩み」(44.3%)でした。

4. 若手社員の約6割がキャリアビジョンを持っているが、そのうちの約4割は現在の勤務先でキャリアビジョンを実現することが難しいと考えている。その理由としてもっとも多かったのは、「昇進・昇格が難しい」こと。
新卒で入社した企業での勤務が4年目を迎えた日本全国の若手社員600人に対し、「あなたには、キャリアビジョン(仕事における目標や将来のありたい姿)がありますか?」と質問したところ、「ある」が59.3%(356人)、「ない」が40.7%(244人)でした。

続けて、「キャリアビジョンがある」と回答した356人に対し、「現在の勤務先で、あなたのキャリアビジョンを実現できると思いますか?」と質問したところ、「ある」が62.9%(224人)、「ない」が37.1%(132人)でした。
「現在の勤務先キャリアビジョンを実現できると思わない」と回答した132人に対し、「キャリアビジョンを実現できないと思う理由は何ですか?」と質問したところ、理由としてもっとも多く挙げられたのは「昇進・昇格が難しい」(34.1%)でした。



※本リリースに基づく内容をご掲載の際は、必ず「Adecco Group Japan調べ」と明記していただきますようお願いいたします。
※本調査の回答結果はすべて小数点第2位を四捨五入して算出したパーセント表示を行っているため、数値の合計が100%にならない場合があります。

【調査概要】
調査対象:2020年4月に新卒として入社し、その企業での勤務が4年目を迎えた日本全国の若手社員
サンプル数:600人(男性:300人、女性:300人)
調査方法:インターネット調査
実施時期:2023年4月27日~5月12日
調査実施会社:楽天インサイト株式会社

プレスリリースに関するお問い合わせ先

Adecco Group Japan 広報部
お問い合わせフォーム