イベントレポート/HR業界5社がこれからのキャリア形成・働き方に向き合う
「HR DEI Lab Summit 2025」開催
~越境連携で、HR業界のリーダーが日本のキャリア課題を議論~
人財サービスのグローバルリーダーであるAdecco Groupの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:平野 健二)は、AKKODiSコンサルティング株式会社、パーソルキャリア株式会社、株式会社マイナビ、マンパワーグループ株式会社(五十音順)と共同で、2025年12月9日(火)に、多様な働き方やキャリア形成をテーマとしたイベント「HR DEI Lab Summit 2025」を開催しました。
本イベントは、HR業界を代表する5社が、企業間の垣根を越えて連携し、キャリア形成に関する社会課題に向き合う共同企画です。イベントを主催した「HR DEI Lab」は、違いを尊重し、認め合える環境の整備やカルチャーの推進を目的とし、アデコ株式会社、AKKODiSコンサルティング株式会社、パーソルキャリア株式会社で2024年に開始したラボです。これまで女性役員・女性管理職のキャリアをテーマにした社内イベントを継続開催し、多様な働き方やキャリア形成を啓発してきました。こうした取り組みが他のHR関連企業の賛同を得て、5社合同でのイベント開催が実現しました。今回は、HR業界5社で上級管理職としてはたらく登壇者が、管理職離れ/女性活躍/キャリア形成/多様な働き方という企業が直面する共通課題について、率直に議論しました。

イベント概要
日時:2025年12月9日(火)12時~13時
会場:パーソルキャリア麻布台本社オフィス+オンライン配信
テーマ:業界のリーダーたちが語る“これからのキャリア” ~女性活躍を超えて、自分らしい活躍へ~
・若年層や女性に顕著な「管理職離れ」
・女性管理職に訪れるキャリアのターニングポイント
・自分らしいキャリアを実現している人の共通点
・性別・年齢・属性を問わず誰もが自分らしく活躍できる環境づくり
内容:5名の登壇者によるパネルディスカッション
登壇者(敬称略):
細野 友美(アデコ株式会社 LHH RPO事業部長 兼 APAC Regional Head of Delivery, LHH RPO)
浅利 朋継(AKKODiSコンサルティング株式会社 Mobility本部第1事業部 事業部長)
川嶋 由美子(パーソルキャリア株式会社 doda事業本部 プラスサービス事業部 事業部長)
清水 美加(株式会社マイナビ ライフキャリア事業本部 CA統括本部 統括本部長)
大槻 佳奈子(マンパワーグループ株式会社 人事総務本部 人事総務部 部長)
金内 慶太/モデレーター(パーソルキャリア株式会社doda事業本部 タレントシェアリング事業部 ゼネラルマネジャー)
イベントレポート
当日は、社会課題である「管理職離れ」に関する考察や、登壇者個人のキャリアのターニングポイント、ジェンダーに関わらず自分らしいキャリア形成を叶えるためのヒントなど、さまざまな意見が交わされました。参加者からも、「普段聞けない他社の管理職の話を聞けて、視野を広げることができた」「同じHR業界のリーダーたちの考えにも違いがあると知り、キャリアを誰かと比較する必要はないと感じた」といった声が集まりました。各登壇者のコメント要旨は以下のとおりです。
細野 友美(アデコ株式会社 LHH RPO事業部長 兼 APAC Regional Head of Delivery, LHH RPO)

管理職は「大変そう」という印象を持たれがちですが、その背景には役割の曖昧さや家庭との両立の難しさがあると思います。私自身も初めて管理職になったとき、成果を出せず苦しんだ時期がありました。その後、新規事業の立ち上げなどに携わる間、出産も経験しました。現在のアデコには主体的に働き方を選択できる環境がありますが、自身が出産した当時はキャリアを維持するには相応の覚悟が必要でした。そこで、出産後の働き方を上司に相談し、柔軟な環境づくりに自ら取り組みました。環境に課題を感じる時は、ひとりで悩まず周囲に相談し、必要な支援を求めるなど現状を良くする努力を重ねることで、自分らしいキャリアの実現につながると考えています。
浅利 朋継さん(AKKODiSコンサルティング株式会社 Mobility本部第1事業部 事業部長)

「管理職になりたい気持ちはあるが、自分には難しいのではないか」と感じる女性社員が多いと実感しています。その背景には、管理職の役割や働き方が十分に可視化されていないことがあると考えます。企業が管理職の業務や役割を明示し、「自分にもできる」と具体的なイメージを持てる環境を整えることで、管理職への心理的ハードルは大きく下がるはずです。また、管理職を目指すか否かに関わらず自分らしいキャリアを築くためには自身のライフビジョンを持つことが重要だと考えています。ビジョン実現のプロセスとして仕事を捉えることで、困難な局面もやりがいや充足感へつながっていくものと考えます。
川嶋 由美子さん(パーソルキャリア株式会社 doda事業本部 プラスサービス事業部 事業部長)

直近10年で、働き方改革が進み、パーソルキャリアの女性管理職比率は上がってきていますし、管理職を目指す女性社員も確実に増えてきました。私自身は、異動や事業の変化、出産・子育てなどを経験して、完璧を目指して仕事を抱え込むのではなく、周囲を信頼し、協力を得ながら仕事を進めるようになりました。キャリア形成においては、確固たる軸を定めるよりも、自分が快適に過ごせる環境や得意な業務を理解し、不快な状態を放置せず改善に動くことの積み重ねが、自分らしいキャリアに繋がっていくと感じています。
清水 美加さん(株式会社マイナビ ライフキャリア事業本部 CA統括本部 統括本部長)

マイナビでは、課長職までの男女差はほぼ解消され、育休を取得する管理職も増えています。自分らしいキャリアを築いている人は、自分の強みや価値観を理解し、他者と過度に比較しない傾向があります。とはいえ、多くの人は、最初から明確なゴールを持っているわけではありません。私自身も、最初から目指す先が決まっていたわけではなく、託された役割に全力で取り組む中で、自分の道が形づくられたと感じています。今やりたいことがなくても、焦らず、過程を楽しみながら、キャリアを積み重ねていってほしいと考えています。
大槻 佳奈子さん(マンパワーグループ株式会社 人事総務本部 人事総務部 部長)

マンパワーグループの女性管理職比率には、今後さらに伸びしろがあると考えています。私自身、30代前半までは管理職志向が強かったわけではなく、就任後も思うような成果が出せず、試行錯誤を重ねた時期がありました。しかし、周囲との信頼関係を丁寧に築くことでその壁を乗り越えられました。自分らしいキャリアは、自分だけで決めるものではなく、人とのつながりの中で育まれるものだと考えます。キャリア形成は長期に渡り、価値観は変化していくものです。「最終的に自分らしいキャリアにたどり着ければよい」という柔軟な視点を持ち、キャリアを築いていただきたいです。
金内 慶太さん/モデレーター
(パーソルキャリア株式会社doda事業本部 タレントシェアリング事業部 ゼネラルマネジャー)

今回の対話を通じて、キャリアの迷いや葛藤は、性別を問わず共通のものであることが再確認できました。HR業界各社が共通する課題に向き合っているからこそ、互いの考え方や取り組み・知見を共有することに意義があります。今後もHR DEI Labでは、多様なはたらき方やキャリア形成について気づきになるような取り組みを行ってまいります。
HR DEI Labの活動について
近年、男女共同参画推進や障がい者雇用、育児・介護との仕事の両立支援など、企業には公平で働きやすい環境整備が一層求められています。HR業界はこうした環境づくりに携わる立場だからこそ、率先して違いを尊重しあえる環境やカルチャーを醸成し、社会変革のきっかけづくりをしたいという思いから、アデコ株式会社、AKKODiSコンサルティング株式会社、パーソルキャリア株式会社で「HR DEI Lab」の活動を2024年から開始。
女性役員・女性管理職のキャリアをテーマにした社内イベントを継続開催し、多様な働き方やキャリア形成を啓発してきました。この取り組みが他のHR関連企業の賛同を得て、今回の5社合同でのイベント開催が実現しました。
アデコ株式会社について
アデコ株式会社は、世界60の国と地域で事業を展開する人財サービスのグローバルリーダー、The Adecco Groupの日本における主な法人のひとつです。コンサルテーションを通じ、すべての働く人々のキャリア形成を支援すると同時に、人財派遣、人財紹介、アウトソーシングをはじめ、企業の多岐にわたる業務を最適化するソリューションを提供します。アデコ株式会社は、Adecco Group のパーパスである「Making the future work for everyone」の実現を目指し、さらなるサービスの強化に取り組んでいます。当社に関するより詳しい情報は、Webサイトをご覧ください。https://adeccogroup.jp
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