地域の課題解決に向けた共創事業 アデコが取り組むソーシャルイノベーション

2024.05.30
地域の課題解決に向けた共創事業 アデコが取り組むソーシャルイノベーション

アデコ株式会社では日本におけるさまざまな課題解決に向けて取り組むことを目的に、2024年に官公庁・自治体向けのBPO事業を専門に手掛けるパブリックソリューション事業本部を設立し、公共領域におけるサービス品質の向上や効率化の実現を支援しています。地方においても、人口減少や高齢化に伴う地域経済の担い手不足など、各地域の諸課題の解決と地域活性化を推進しています。パブリックソリューション事業本部ソリューションセールス事業部のソーシャルイノベーション課では、各地域における、人財育成、経済活性化、デジタル化といった領域の課題解決に取り組んでいます。

地方創生のプレイヤーを育てる自治体との共創事業

地方の課題解決をミッションとするソーシャルイノベーション課では、地方自治体とともに地域の課題に向き合い、利益を超えた目標やビジョンを共有する共創関係を自治体との間に築き、地域の発展の基盤となる事業を興すことに尽力しています。

ソーシャルイノベーション課の業務は、地方自治体と受託者という従来の官民連携事業の枠組みにとらわれず、同じ目線に立つ共創的な関係性で、地域のために何ができるのかを考えるところから始まります。そういった活動のなかで地域に必要なことが分かってきたら、次のフェーズとして事業を計画していきます。

地方自治体の案件においては、滋賀県長浜市、愛知県長久手市、および高知県などとの間で協定を結び、主に人財育成や経済活性化、デジタル化のための支援を行っています。なかでも地方自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)促進のニーズは高く、複数の自治体で教育コンテンツやコンサルティングを提供しています。思考の枠組みをデジタルマインドセットへと変革するために取組んでいるほか、官民問わず、地域の課題解決に向けて協力が可能な団体とのネットワーキングの支援なども行っています。

地方に身を置きつつ、都心から業務受注するフリーランス集団を育成

もともと、山形県酒田市では「日本一女性が働きやすいまち」を目指し、その実現に向けて「サンロクIT女子」というデジタルを活用する仕事に関心があり、家事や育児、本業の合間など、自身の生活スタイルにあわせて仕事をしたいといった方々のコミュニティを形成していました。。培った技術を事業として収益化するための収益構造を作り上げることに課題を感じていたところに、当社が参画。現在では、デジタルスキル獲得についてのコンテンツの提供や、受注のための営業サポート。さらに社会人としての基礎力であるポータブルスキルの向上支援とともに、ワークエンゲージメントサーベイの実施、メンタルケアやモチベ―ション向上のためのサポートやキャリアコンサルティングを行っています。

酒田市では、女性が家を離れて仕事をすることに心理的に抵抗感を抱き、、働くことへの一歩を踏み出せない方がいらっしゃるということが分かりました。そこで、家事や家業との両立が可能なフリーランス業務の紹介や、そのためのデジタルスキルの習得、カウンセリングによる支援を実施。その結果、現在約100人のメンバーからなる「サンロクIT女子」は、都心部を中心とした全国にも事業を拡大しており、今後のさらなる成長が期待されています。

アデコが共創事業に注力する理由

アデコは2025年に向けた5カ年の中期事業計画を策定し、「『人財躍動化』を通じて、社会を変える。」を日本のビジョンとして掲げ、さまざまな取り組みを行っています。既存事業の枠を越えて社会変革につなげていくという意味においても、地方創生は重要な取り組みと言えます。

同課は18年間の自治体職員としてのキャリアがある課長の吉田智之をはじめ、企業経営者、外国人雇用コンサルタント、非営利法人経営者、まちづくりアドバイザー、など多様なバックグラウンドを持つメンバーで構成されています。

チームでのディスカッションの様子 チームでのディスカッションの様子

課長としてソーシャルイノベーション課を牽引する吉田は、同課の業務について、次のように語ります。

「ソーシャルイノベーションの観点から特に重視しているのは、マインドセットの醸成です。各地域の人々に向き合い、そのニーズに寄り添いながら、キャリアコーチングやスキル習得のための支援を行っていくことで、働く人のワークエンゲージメントを高め、一人ひとりが自らのキャリアについて主体的に考え、積極的にキャリア形成に取り組むことができるように伴走し、支援していく。その結果、自律的にキャリアを歩める人財がさらに後進を育成し、それが持続的な地域活性化につながっていく——、そんな展開になっていくことができればと考えているんです。」

前職の公務員時代から変わらぬ地方創生への想いを持って、自分とビジョンを同じくするアデコに入社した吉田はさらに言います。

「公務員時代に感じていた最大の課題は、志はあっても人的リソースが足りないこと。自治体職員が抱えるタスクの多さをDX化で解決したり、サステイナブルなコミュニティを作るために地域の人財育成に尽力したりといった、ソーシャルイノベーション課の仕事にやりがいを感じています。 アデコでは2024年に、官公庁向けのBPO事業を専門に手掛けるパブリックソリューション事業本部を立ち上げるなど、公共領域に注力していく体制も整っています。

そしてアデコには、『失敗してもよいから、やってみては』とチャレンジを後押ししてくれるカルチャーがあります。ソーシャルイノベーション課も、『地域のために必要と考えるならば、やってみてはどうか』と、周囲からサポートしてもらっています。たとえ入社したてで周囲の状況がわからなくても、サポートしたりアドバイスしてくれる社員がたくさんいます。

同じ想いを抱く仲間たちや、企業や地域、個々の人とのつながりが、大きな変化を生み出すソーシャルキャピタルとなります。そして、それがソーシャルイノベーションを生み出し、さらには日本全体に広がっていくことを期待し、日々取り組んでいます」

吉田 智之

吉田 智之
パブリックソリューション事業本部ソリューションセールス事業部
ソーシャルイノベーション課 課長