共著『ふたたび世界で勝つために』にも引用しましたが、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄准教授がしばしば言及しているように、グローバル時代の企業活動は「exploitation=知の深化」と「exploration=知の探索」の2つを重視する「両利き」の経営を目指さなければなりません。日本企業はこれまで、特にメーカー系などは、ある特定の技術を深く掘り下げる「exploitation(知の深化)」が得意でした。しかし今はその技術をどのようなビジネスモデルで展開するのか、どう新しいアプリケーションを見つけていくかも重要です。
そのためには同時に「exploration(知の探索)」もしていかなければ、発展や成長ができません。これまでの枠組みを超えて「知の範囲」を広げる力が組織にも、そして個人にも求められています。
高津さんが北東アジア代表を務めるIMDは、スイスに拠点を置く、グローバル経営幹部教育に特化したビジネススクールとして世界的な評価を得ていますね。グローバル人財育成がご専門の高津さんから見て、日本企業のグローバル化への対応は、昨今、進んでいると感じられますか?