20代~60代の働く人を対象に「ダイバーシティ」に関するアンケート調査を実施し、7割以上が「ダイバーシティへの取り組み」を重視している一方で、その取り組みの効果については、約7割が実感がないと回答していることがわかりました。
<調査概要>
調査期間:2017年8月2日~2017年8月6日 有効回答:2,159人 調査方法:インターネット調査(日経BPコンサルティング調べ)
Q1. 「ダイバーシティ」とは、どのようなことを指していると思いますか?
「ダイバーシティ」という言葉の捉え方は、国籍や性別が多様化する「デモグラフィー型」が上位を占める
「ダイバーシティ」とは、どのようなことを指していると思うかを聞いたところ、「国籍が多様化すること」(39.2%)が最も多く、次いで「性別が多様化すること」(38.8%)、「様々な価値観をもつ従業員が存在すること」(23.9%)の順に多い結果になりました。また、「ダイバーシティという言葉を知らない人が2割以上いることもわかりました。
ダイバーシティには、実務に必要な能力・経験に関する「タスク型」と、性別・国籍などの視覚的にも分かりやすい「デモグラフィー型」の2種類があり、デモグラフィー型の要素が1、2位を占め、タスク型要素に大きく差をつける結果になりました。
Q2. 「ダイバーシティ」は企業・団体にとって重要だと思いますか?
7割以上が、「ダイバーシティ」の重要性を認識。役員、部長、女性がより重視している傾向
「ダイバーシティ」が重要であるかを聞いたところ、「非常にそう思う」、「そう思う」の合計が7割以上にのぼり、ダイバーシティを重要視する傾向がうかがえました。役職別でみると、役員、部長の層が重視しており、また、性別で見ると、女性のほうが男性よりダイバーシティをより重視する傾向にありました(「非常にそう思う」と「そう思う」の合計が、男性は69.4%、女性79.5%)。
Q3. 現在までに良い効果があったと思いますか?
約7割が、取り組みによる効果を実感できていない。生産性の向上や仕事への姿勢に効果がみられる。
「ダイバーシティ」の取り組みの効果については、「良い効果があった」という回答者は25.3%にとどまる一方で「わからない」と回答した人が7割近くに達しており、まだ実感できる具体的な成果が上がっていないことが想定されます。一方で、効果があったという回答者へ、具体的な事例を聞いたところ、ワークライフバランスの改善による生産性の向上や、人財の多様化による新しいアイディアの増加、仕事への姿勢や社内風土の変化に効果があったとする意見が多くありました。
Q4. 勤務先の「ダイバーシティ」の取り組みにおいて、不足しているものや課題となっているものはありますか?
「多様な働き方に対応した評価制度の導入」と「柔軟な働き方」の実現支援が「ダイバーシティ」の推進に必要
「ダイバーシティ」の取り組みで、不足していることや課題について聞いたところ、「多様な働き方に対応した評価制度の導入」が最も多く(31.5%)、次いで「在宅勤務や時短など、柔軟な働き方の推進」(20%)、「ワークライフバランスの推進」(16.1%)、「能力・経験・価値観の異なる人財の採用、登用」(15.7%)となりました。
Q5. 「ダイバーシティ」推進のデメリットにはどんなことがあると思いますか?
「ダイバーシティ」への懸念は、「人事評価」、「人財の管理や育成」が難しくなるが上位
「ダイバーシティ」を推進する上でのデメリットとして、「人事評価が難しくなる」(39.1%)、「人財の管理や育成が難しくなる」(27.1%)、「負荷が大きくなる社員が生じる」(27.0%)など、多様な人財の評価・育成、社員間の負荷の分担など、マネジメント面で危惧する傾向がありました。その一方で、定着率や仕事のスピードの低下を懸念する回答は10%前後に留まっているため、それらに対する懸念は少ないことが分かりました。