がんと診断された働く女性を対象に、治療と仕事に関するアンケート調査を実施したところ、半数以上が「仕事への影響」を不安に感じていることが明らかになりました。
調査対象:5年以内にがんを罹患し入院経験がある20代~50代の女性200人(診断時に正社員、現在も何かしらの形で就業中)
調査方法:インターネット調査
調査実施時期:2017年7月21日~31日
がんと診断されて不安になったことについて、半数以上が「仕事への影響」(56.5%)を挙げており、「家族への影響」(43.0%)や「治療による体調の変化」(42.5%)を上回る結果となりました。働き盛りの20~50代の女性にとって、従来通りのパフォーマンスを仕事で発揮できるかどうかは、大きな不安要素といえます。
がんと診断されたころを自ら伝えた相手について質問したところ、圧倒的に多くの働く女性が「直属の上司」(92.5%)と回答しました。次いで、同僚に伝えたのは44.5%で、全体の半数を下回りました。ほとんどの女性が直属の上司には伝えていることから、上司が主導して、病状や治療の個別性に配慮した組織マネジメントを行うことが望まれます。
治療と仕事を両立できた背景として、半数以上が職場や家族の理解・協力を挙げており、給与の維持や柔軟な働き方の容認を大きく上回る結果となりました。がん治療と仕事の両立支援に向けて、制度の整備や運用は必要な一方、一緒に働く仲間など身近な存在からの理解や協力が大切であることがうかがえます。
仕事を続けた目的を聞いたところ、最も多くの働く女性が「家計を維持するため」(74.0%)と回答しました。3割以上が「治療費を工面するため」(35.5%)と回答していて、金銭的な事情を考慮して、仕事を継続した人は少なくありません。一方で、「働くことに喜びや生きがいを感じるため」(28.5%)、「社会との接点を持ちたいため」(26.0%)といった声も見受けられました。