世界最大の人財サービス企業であるアデコグループの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川崎健一郎、以下「アデコ」)は、改正労働安全衛生法で義務付けられているストレスチェックの責任者300人を対象に、「ストレスチェックに関する調査」を実施しました。ストレスチェックは、2015年12月より、従業員が50人以上いる事業場で毎年1回実施することが義務付けられており、今年、制度の施行から3年目を迎えました。
ストレスチェックの責任者に対して、「職場でのメンタルヘルス対策に関わる課題・悩みはありますか」と質問したところ、全体の6割以上にあたる61.3パーセントが「ある」と回答しました。「ない」と回答した31.0パーセント、7.7パーセントは「わからない」と回答しました。多くの企業で、職場のメンタルヘルスに関する課題や悩みを抱えていることが伺える結果となりました。
「職場でのメンタルヘルスに関わる課題・悩みがある」と答えた回答者に対し、どんな課題や悩みがあるのかを質問したところ、もっとも多く挙げられたのは「休職者の増加」(46.7パーセント)でした。2番目に多かったのは「従業員の生産性・士気の低下」(44.6パーセント)、次いで「メンタルヘルスに関する誤解や偏見が顕在・潜在化している」(35.3パーセント)という結果となりました。
厚生労働省によると、2000年に36件だった精神障害等による労災認定件数が2016年には498件と、この16年間で約14倍に増えています。今回の調査の結果からも、メンタルヘルス不調による休職者の増加への対策の必要性が明らかとなりました。
「会社では、努力義務である集団分析(組織診断)は行いましたか」と質問したところ、約7割にあたる65パーセントが「はい」と回答しました。また、25.3パーセントが「実施したことはないが、今後実施する予定」と回答しました。一方、「実施したことはなく、今後も実施する予定はない」と回答したのは7.0パーセントでした。企業の多くが、ストレスチェックから一歩進んだ従業員のメンタルヘルス対策に関心を持っていることが伺えます。
厚生労働省は、「働き方改革」を「一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジ」と位置付け、長時間労働の是正を始めさまざまな取り組みを進めています。しかし、今回の調査で「自社で『働き方改革』に関する活動はされていますか」と質問したところ、「活動している」と回答したのは53.3パーセントにとどまりました。「現在は活動していないが、今後活動する予定」(27.0パーセント)、「現在は活動しておらず、今後も活動する予定はない」(8.7パーセント)、「活動したいが、どのようにしたら良いかわからない」(9.7パーセント)、「『働き方改革』がどのようなものか知らない(聞いたことがない)」(1.3パーセント)を合わせると46.7パーセントとなり、約半数は現在「働き方改革」に関する取り組みを行っていないことがわかりました。より多くの企業が「働き方改革」に向けた取り組みを進められるよう、さらなる支援が求められます。