東日本大震災の影響や「2012年問題」による大幅な労働力減少、終身雇用や年功序列型賃金制度の崩壊、加速するビジネスのグローバル化……。
環境が激変する今、労働市場で何が起きているのか、今後どのような新しい動きが出てくるのか。「今、そしてこれから」をレポートします。
不透明な経済状況が続く中、"企業活動の屋台骨の強化"を目的に、人事制度を刷新する企業が増加しています。米フォーチュン誌が選ぶ「フォーチュングローバル500」の約90%が導入している人事考課制度「360度評価法」は、日本でも定着しました。
大手化粧品メーカーA社では、管理職の評価基準を約20カ国・地域で統一する新しい制度を導入。各地域で外国人経営層を育成するのと同時に、国を越えて有能な人材を配置し、国際競争力を高めます。
また、グローバル人材の育成に着手する動きも活発化しています。大手自動車メーカーB社では、入社前の半年間、語学やビジネス慣習を学ぶ海外留学研修を開始。大手薬品メーカーC社は、管理職中心の海外子会社への出向を、20代後半の社員まで拡大する方針を掲げています。20代の全社員への海外勤務義務付けを実施する企業もあるなど、人材育成のあり方を変革させる動きは今後もより活発化していく見込みです。