東京大学の「入学時期の在り方に関する懇談会」(座長=清水孝雄副学長)は、3月29日、「秋入学」への全面移行を検討すべきであるという最終報告書をまとめ、学長に提出しました。これにより、昨年から続いてきた秋入学に関する議論が、さらに活発化しています。
従来の4月入学から、国際標準である9月入学に移行することにより、グローバルな人材を育成していく──。東大は秋入学の意義をこのように説明し、筑波大や東京工業大など国立大9校(※1)と、早稲田大学、慶應義塾大学の私立大2校に協議会への参加を呼びかけてきました。これらの有力校が秋入学の検討を始めたことは、他大学へも影響し、実際、2月に日本私立大学連盟が加盟121校に調査したアンケートでは、回答した98校のうち8割にあたる78校が、秋入学移行の是非を「検討中」か「今後検討予定」と回答しています(図1)。