一方、入学前の空白期間については、入学前にインターンやボランティアに取り組むことを奨励し、そのレポートに対して単位を付与するといった仕組みは、有効だと思います。本学では、「入学前のギャップイヤー活動」を義務付ける入試を行っており、将来のために、自ら考えて時間を有効利用できる活動として推進しています。
秋入学が日本の産業界にどの程度寄与するかについては、長期的な検証が必要ですが、現在のところ、この仕組みの目的は達成していると考えています。
国際教養大学(AIU)は、2004年の設立時より秋入学制度を取り入れています。欧米では9月入学が一般的であり、大学のグローバル化を目指すのであれば、秋入学の仕組みを導入するのが当然であると考えたからです。
他にも、(1)すべての授業の英語化(2)学生への1年間の海外留学の義務付け(3)1クラス18人という少人数編成といった、さまざまな取り組みを行っています。こういった活動全般を通して、グローバルに活躍できる人材を養成しています。
秋入学の大きなメリットは、海外からの留学生も受け入れ、また日本人学生の海外留学が容易なことです。本学でも、海外で生活した経験のある学生が集まることで、学内に国際的な雰囲気が生まれ、多様な考えや文化の中で、仲間と切磋琢磨できる環境ができあがっています。
この成果は、学生の就職率の高さという形で現れています。第一期卒業生を送り出した08年以来、海外に留学した人を除くすべての学生が就職しています。これはつまり、グローバルな環境で活躍できる人材育成と企業のニーズがマッチしているということで、秋田という地方都市の、定員が200名にも満たない新興の大学に、毎年、東京の多くの企業が足を運んで説明会を開催してくださるのも、そのためであると考えています。
秋入学のデメリットとして、ギャップイヤーの問題がしばしば挙げられますが、たとえば当大学のように、「3.5年もしくは4.5年での卒業」といった期間設定を設けることも可能で、「通年採用」の企業も増加傾向にあることを考えれば、卒業後の空白期間の問題は、ほぼないと考えています。
一方、入学前の空白期間については、入学前にインターンやボランティアに取り組むことを奨励し、そのレポートに対して単位を付与するといった仕組みは、有効だと思います。本学では、「入学前のギャップイヤー活動」を義務付ける入試を行っており、将来のために、自ら考えて時間を有効利用できる活動として推進しています。
秋入学が日本の産業界にどの程度寄与するかについては、長期的な検証が必要ですが、現在のところ、この仕組みの目的は達成していると考えています。