千葉県北東部の大網白里町にある大里綜合管理は、従業員およそ30人の不動産会社。身体に障がいを持つ人や、長期間、社会活動に参加してこなかった若者、高校生と、その顔ぶれは驚くほど多彩だ。従業員は不動産部、工事部、管理部といった部署に所属しているが、役割や働き方は一人ひとり異なる。「正社員、契約社員、研修生、アルバイトなど契約形態は人それぞれ。労働時間もライフスタイルによってさまざまです。決められた働き方があるわけではなく、その人の特性に合わせて働き方や立場を決めています」と話すのは、代表取締役社長の野老真理子さん。
野老さんが自身や社員の子どもを預けるための「社内学童保育施設」を社屋に設置したのは、今から18 年前のこと。ほどなく、地域の子どもたちの受け入れも開始した。
その後、さまざまな地域貢献活動に積極的に取り組むようになり、現在では、従業員が毎朝、駅前の交通整理や清掃活動などを行っている。また、社屋を活用したライブコンサートや各種ワークショップを開催したり、会社の会議室を貸し出し、地域の工芸作家の作品を販売するなど、多彩な試みを実践している。