有期雇用に関する労働契約法が4月に施行されるなど、雇用や労働を取り巻く環境がますます変化することが予測される2013年。企業の経営者や人事部門は、その変化にどのように対応していけばいいのか。
労働や人材などの分野を専門に研究されている東京大学大学院教授の佐藤博樹氏と東洋大学准教授の小島貴子氏に話をうかがいながら、2013年以降に予測される変化を7つのキーワードにまとめてみた。
有期雇用に関する労働契約法が4月に施行されるなど、雇用や労働を取り巻く環境がますます変化することが予測される2013年。企業の経営者や人事部門は、その変化にどのように対応していけばいいのか。
労働や人材などの分野を専門に研究されている東京大学大学院教授の佐藤博樹氏と東洋大学准教授の小島貴子氏に話をうかがいながら、2013年以降に予測される変化を7つのキーワードにまとめてみた。
最後に昨年10月に施行された改正労働者派遣法にも触れておきたい。この新しい派遣法は、派遣労働者の保護や待遇改善に重点を置いたものだが、とりわけ派遣先企業にとって影響が大きいのが、30日以内の短期間の派遣、俗にいう「日雇派遣」が原則禁止となった点である。
新しい規定によれば、専門性の高いソフトウエア開発や機械設計、通訳、編集、デザインなど、いわゆる「政令業務」のうち、とくに専門性が高いと認められる18業務は短期派遣が可能であるが、それ以外の業務はすべて原則30日以内の派遣が禁止となる。具体的には、イベントスタッフ、選挙・投票日の出口調査試験監督など、1日もしくは数日で終了するような業務だ。ただし例外として、60歳以上の人、昼間学生、世帯年収が500万円以上ありかつ主たる生計者でない人は、禁止の対象とはならない(図3)。これは事実上、シニア層、学生、主婦に短期派遣を認め、いわゆるフリーター層のみを排除する法律であるとして昨年からさまざまなメディアで取り上げられており、問題視する意見も多い。
さまざまな問題点が指摘される派遣法だが、この法律は、前述の労働契約法に紐づくものであり、労働契約法の考え方次第で、見直しが入ることもありえる。政権交代によって雇用労働政策についても、今後さまざまに議論されることが予想されている。日本の労働市場に大きな影響を及ぼすこのテーマは、引き続き注視していくことが必要である。