富士通コンピューターズ・ヨーロッパ元副社長の田中健彦氏は、1990年代後半のフィンランド駐在時、驚きの連続だったという。
「フィンランド人は役職や性別にかかわらず、夕方4時を過ぎると皆、次々と帰ってしまうのです」
その理由は「息子をサッカークラブに送っていく」「習い事の送迎がある」とプライベートなことが多い。一方で仕事はきっちりとこなす。時間も自由に使い成果を出すことが、なぜ可能なのか?
「第一に、社員に権限と裁量が与えられているからです」
田中氏によると北欧のビジネスパーソンの特徴は「自立心旺盛。一方で、仕事に介入されることをよく思わない」とのこと。「その代わり、全員が全責任を負う。また合理的かつ計画的な思考を持っているので、仕事を始める前には、入念に全体の構想や計画を練る。仕事の仕方に無駄がないのです」