安定志向と承認欲求が強い一方で、仲間や他人の役に立ちたい貢献意欲も高い—。前ページでは、Z世代の特徴が浮き彫りになった。そんな彼らも、最年長の層は2年後に社会人の仲間入りをする。そのとき企業は、どのようにZ世代と向き合っていくことが望まれるのか? 前出の中央大学の古賀氏も品川女子学院の神谷氏も、「先輩、上役だからという上から目線は今以上に通用しない」と口を揃える。
「上司や先輩社員の生活ぶりや出自、キャリアもネットで簡単にわかってしまう時代。またITの普及で、あらゆる枠組みの垣根が低くなり、組織もフラット化しています。“一方的に” “上からの”コミュニケーションは時代に逆行しているのです」(神谷氏)
古賀氏も「『これは違う』などと強圧的に話す“ショック療法”に効き目はない」と同調する。そこで両氏が薦めるアプローチは「相手の価値観やキャパシティをしっかり把握した上で、共同作業で同じゴールを目指す、“メンター的”接し方」だ。