厚生労働省認定第6回「イクメンの星」に選ばれた越智聡氏が2カ月の育休をとったのは、念願のプロジェクトマネジャーに昇格した直後だった。
「僕は入社時からキャリアアップ志向で、6年でマネジャー昇進することを目指し、実現しました。プロジェクトの繁忙時期は連日遅くまで必死で働いていましたね」
だが、2人の子どもの育児をほぼ1人で行っていた妻から突然、「この生活がいつまで続くの?」と涙ながらに訴えられたことが転機となった。「上司に相談したところ、育児休暇を勧められました。当時はまだ男性コンサルタント職の育児休暇の取得例がなかっただけに、キャリアへの影響が不安でした。でも、自分は何のために働いているのかと考え、早い出世よりも家族が第一だと、大きく価値観が変わったのです」
しかし復帰後、再び仕事に没頭する日々に戻ったため、危機感が募り、2年間の時短勤務を申請。保育園にお迎えに行く18時から逆算して業務を組み立てる働き方に変えた。だが、プロジェクトマネジャーという管理職だけに、部下や顧客との打ち合わせが頻繁にあり、これが5時以降になりやすい傾向にあった。