EUでは「毎年、若者の失業対策が恒例行事のように話題になる」と濱口氏。若年(15~24歳)失業率の高さは世界的な課題となっているが、EU27カ国平均で見ると、その失業率は20%を超える。新卒者5人に1人は職に就けない状況だ(2013年・EU統計局)。「新卒者には経験とスキルがないため、その状態のままでは雇われないというのが欧米における考え方です。一方、日本は景気が悪くなければ、新卒者のほぼ全員が雇われます。理由は新卒一括採用があるからです」(濱口氏)。スキルがなくても上司がイチから鍛えるため、欧米諸国と比べると日本の若者は失業しないで済む、というわけだ。