頭の中のことを具現化すると どうしても「挑戦的」になってしまうんです
「シネマライブ」という前例のないチャレンジ
私が社長を務め、爆笑問題など21組のタレントが所属する芸能事務所タイタンでは、2カ月に1回のライブを15年以上続けてきました。このイベントの悩みは、チケットがすぐに完売してしまい、多くのお客さまに見ていただくことが難しいという点。DVDにすれば何万人という方々に見ていただくことができますが、ライブの魅力は、その日その場だけ、二度と同じものを再現できないという点にあります。その臨場感を保ったままで、多くの人にタイタンのお笑いを楽しんでいただくことはできないか。その問いへの答えが、「シネマライブ」でした。
お笑いのライブを各地の映画館のスクリーンに生中継するシネマライブに挑戦したのは、2009年のことです。お客さまは、椅子に座って飲み物を片手にリラックスして映像を観ることができる。でも、そこで流れている映像は、ライブ会場で芸人さんたちがリアルタイムで演じているネタです。最近では映画のスクリーンを使った生中継という手法は珍しくないですが、当時は前例のない試みでした。