世界経済フォーラムが毎年秋に発表する世界の男女平等格差(ジェンダー・ギャップ)ランキングが発表されました。政治、経済、教育などさまざまな分野で男女の平等度を算出する方法で、2011年度、日本は135カ国中98位、先進国の中で最下位でした。
昨年、男女雇用機会均等法の施行から25年が経ちましたが、日本はいまだ、企業の女性登用において後進国です。日本経済新聞社が11年8月に国内主要500社を調べたところ、全取締役に占める女性の比率はわずか0.98%でした。
しかし一方で、業績や組織力向上のために女性活用に取り組む企業も増加しています。ある都市銀行では、女性のリーダー研修、女性による商品企画など、働きやすい環境作りに力を入れた結果、課長以上に女性が占める割合が13%まで増えました。また、ある大手証券会社では、育児休業を3年に延長したほか第3子以降の祝い金制度を創設。男女問わず19時前の退社を奨励し、家庭との両立を支援した結果、女性の活躍も目立ち、女性取締役が5人になりました。
11年には、主要企業の執行役員以上の女性が企業の枠を超えて集まり、次世代の女性リーダー育成を行う「J-Winエグゼクティブ・ネットワーク」が始動。働く女性に、なりたい管理職像をイメージしてもらうことが狙いです。女性の活用を進めてきた企業の努力が、徐々に実を結びつつあります。