人材派遣のこれからを考える

「Ciett リージョナル ワークショップ」開催
-変化する労働市場における人材派遣の役割とは

2012年3月、東京国際フォーラム(東京)にて、人材派遣の国際組織Ciettのワークショップが開催されました。リーマンショックを発端とした世界的不況や、急速なグローバル化の中、人材派遣の果たすべき役割は何か──。有識者や業界関係者約600名が集い、意見交換を行いました。

Ciett専務理事デニス・ペネル氏は、基調講演の中で、「2009~2010年の間、人材派遣サービスを積極的に活用した国・企業は、収益の伸び率が高く、景気悪化からの回復が早かったことがドイツでの調査で明らかになった。企業の成長と雇用の創出──今こそ、人材派遣が果たすべき役割は大きい」と述べました。

7名の有識者(※)によるパネルディスカッションでは、人口が減少し、経済成長が期待できない日本の労働市場における人材派遣のあり方が議論されました。

「派遣協会においては、東日本大震災に関係する雇用創出の動きの中で、2012年1月までに2万人強の就労機会を創出し、社会に対して事業の意味を示す機会となった」「高齢者就労や、新卒など若年層の就労支援など、人材派遣が担える役割をさらに考えていく必要がある」「派遣社員のスキルアップを支援する制度を強化する、インターネットを利用して派遣社員の意見を聞く場を増やすなど、できることから始めるべき」といった意見が交わされました。

  • 国際基督教大学 八代尚宏客員教授(進行役)、鶴光太郎氏(経済産業研究所 上席研究員)、濱口桂一郎氏(労働政策研究・研修機構 統括研究員)、龍井葉二氏(連合総合生活開発研究所 副所長)、松井博志氏(日本経団連、国際協力本部 副本部長)、アンネマリー・ムンツ氏(欧州国際派遣業界団体連合・Euro-Ciett 会長)、坂本仁司氏(日本人材派遣協会 会長)順不同 Ciettについて:http://www.jassa.jp/ciett/

VOL.26トピックス