そう遠くない将来、本業以外の業務に携わりながら新しいスキルを磨く「副業」だけでなく、プロジェクトごとに様々な企業や組織に同時に参加しながら働く「複業」が、働き方のスタンダードとして一般化するとも予見されています。
アデコではこの「副業・複業時代」を見据え、副業・複業の実態と意識を調べるため、管理職と一般社員それぞれを対象に、アンケート調査を実施しました。
管理職510人に対し、「あなたのお勤め先では、現在、自社の社員に副業・複業を認めていますか」と質問したところ、66.3%が「禁止している」と回答しました。その理由としてもっとも多く挙げられたのは、「社員の長時間労働や過重労働を助長してしまうから」(29.9%)、次が「情報漏えいのリスクがあるから」(27.8%)でした。
勤務先で、自社の社員に対する副業・複業を「禁止している」と回答した管理職338人に対し、「あなたのお勤め先では、自社の社員に副業・複業を将来的に認めることを検討していますか。あなたのお勤め先の方針を教えてください」と質問したところ、「認める方向で検討中」が0.6%、「一定の懸念が解消されれば、認めることを検討する」も8.6%のみでした。
管理職510人に対し、「あなたのお勤め先では、他社や個人事業主としての仕事が本業の人を受け入れていますか」と質問したところ、38.8%が「受け入れる予定はない」と答えました。
勤務先で、「他社や個人事業主としての仕事が本業の人を受け入れていない」「受け入れる予定はない」と回答した管理職264人に対し、「あなたのお勤め先で、他社や個人事業主としての仕事が本業の人を受け入れていない理由をすべて教えてください」と質問したところ、理由のトップは「そのような制度がないから」(61.0%)、次が「そのような文化がないから」(43.6%)でした。
管理職510人に対し、「あなたは、副業・複業を認めたほうが良いと思いますか。それとも、禁止、もしくは、条件付きで認めたほうが良いと思いますか。あなたの個人的な考えを教えてください」と、質問したところ、「認めたほうが良い」が33.5%、「条件付きで認めたほうが良い」が50.6%でした。
副業を認めた方が良いと考えている管理職258人に対し、「副業・複業を『認めたほうが良い』『条件付きで認めたほうが良い』とお答えになった理由をすべて教えてください」と質問したところ、トップは「従業員の収入増につながるから」(35.7%)でした。
「あなたは、『副業・複業』が働き方の主流になるとも言われている時代に必要なスキルは何だと思いますか」と質問したところ、第一位は「コミュニケーション能力」(38.6%)、次が「専門性・スキル」(34.1%)でした。
一般社員500人に対し、「あなたはこれまでに、副業・複業をした経験がありますか」と質問したところ、76.2%が「過去も現在もしたことがない」と回答しました。
副業・複業の経験がないと回答した一般社員381人に対し、「あなたは今後、副業・複業をしてみたいと思いますか」と質問したところ、55.1%が「副業・複業をしてみたい」と回答しました。
そして、「副業・複業をしてみたい」と回答した一般社員210人に対してその理由を質問したところ、トップは「収入を増やしたいから」(81.4%)でした。
一般社員500人に対し、労働力人口が減少し働き手の数が少なくなると共に、テクノロジーが進展し、「副業・複業が働き方の主流になるとも言われています。あなたは、副業・複業が働き方の主流になることについて、どう思いますか」と質問したところ、「賛成」が33.4%、「どちらかというと、賛成」が48.8%で、82.2%が好意的な姿勢を示しました。
「賛成」と回答した411人に対し、「副業・複業が働き方の主流になることに『賛成』『どちらかというと、賛成』とお答えになった理由をすべてお選びください」と質問したところ、もっとも多かった理由は「収入が増えるから」(63.5%)でした。
一方、副業・複業が働き方の主流になることについては、50.2%が「不安である」と回答しました。
一般社員500人に対し、副業・複業」が働き方の主流になるとも言われている時代に向けて、現在何か行っていることはありますか。あなたが現在行っていることをすべてお選びください」と質問したところ、もっとも多かったのは「特に何もしていない」(58.4%)でした。
一般社員500人に対し、「あなたは、副業・複業が働き方の主流になるとも言われている時代に必要なスキルは何だと思いますか」と質問したところ、第一位は「時間管理能力」(35.2%)、次が「コミュニケーション能力」(30.6%)でした。