厚生労働省の「均等推進企業表彰」や経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれた帝人。同社の“女性社員活躍”への取り組みは1999年から始まった。その経緯を同社ダイバーシティ推進室長の日高乃里子氏が語る。
「弊社は90年代から海外合弁などグローバル化を加速したのですが、合弁先企業と会議をすると、先方には女性役員などが多いのに、弊社は男性ばかり。そこで当時の社長がグローバル企業になるためには女性の活躍が不可欠と強く認識し、『女性活躍委員会』が設置されました」
委員会では社員アンケートを実施し、育児との両立支援制度や風土創りなどを検討。2000年には女性活躍推進室が設けられ、室長には外部から人事部経験などが豊富な女性専門家を登用した。このとき社長の強い意志もあり、現在ある支援制度が次々と導入された。「風土がどんどん変わっていく」と日高氏は実感したという。
同社の両立支援制度は妊娠期、出産時、育児期、介護期と、男性も含めステージごとに極めて多種多様なものが揃っているのが特徴だ。休職、時短、フレックスなどだけでなく、最大2年間取得できる介護休職制度、週2回の在宅勤務制度などもある。女性だけでなく、男性の取得も可能で、夫婦で週2日ずつ交互に在宅勤務を利用して育児をする社員もいるという。