その経緯について、人事総務部長の高橋文子氏が語る。
「社員の“ライフワークバランス”向上のため、1990年代前半からフレックスタイム制の導入を進めてきましたが、11年の東日本大震災を機に、定時帰宅や有給消化の奨励、在宅勤務も推進することになりました。また、テレワークを導入することで、社内外の人々とのコミュニケーションを増やし、新しい発想やアイデアを生み出せればと考えています」
同社のオフィスを訪れると、大テーブルを中心とした広大なワンフロアが目を引く。完全なフリーアドレスの空間で、壁や個室はほとんどない。「オフィスでは、部署を問わず執行役員から若手まで同じデスクで働いています。他部署の人との会話や相談が活発になり、思わぬアイデアをもらえたという声もあり、良い刺激になっています。若手社員が困っているときに、隣で電話を聞いていた他部署の経験豊富な社員が、適切なアドバイスをすることもあります。フリーアドレスによって、コラボレーションだけでなく、業務効率もアップしました」
同社では、オフィスで座る席をパソコンのダーツソフトで決める工夫もしている。