30年前は性別による雇用管理が行われ、男女で給与体系も異なっていた。子どもや高齢者など家族の中の誰かの面倒をみる"ケア役割"は女性が果たすものという認識があった。しかし現在では、性別にかかわりなく誰もがケア役割を引き受ける可能性があるという認識が定着してきたと、「女性と仕事」に詳しい昭和女子大学特命教授の福沢恵子氏は語る。「女性であることによって区別をされることがなくなった。それがこの30年間で一番の変化です」
管理職や経営層への女性登用の可能性も開かれてきた。「男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年。そのときの第1期生が現在50代となり、実際に役員クラスに昇進する女性も出てきています」