ゆとり教育は何かと批判の的になってきた側面もありますが、知識偏重の「詰め込み教育」から、より本質的な思考力を育てていこうという基本姿勢は重要なポイントだと思います。事実、ゆとり世代には、非常にしなやかな思考力を持っていらっしゃる方も多いと感じています。教育改革と併せて、これには当時、終身雇用のシステムが変わり始めた、というような社会的な時代背景もあったのではないかと思います。良い大学、良い会社といった決められたキャリアだけでは難しい。自分なりに何をしたいかを考えなければいけない。チャレンジしていかなければいけない。とはいえ、当時はそのような自分の将来を投影すべきロールモデルが存在していなかったために、自分なりにトライ&エラーでやってみる。キャリアには「これさえやればオーケー」という「誰かが決めてくれた正解」はない。そのうえで、しなやかに考えて行動してみて、自分のやりたいことを大事にしながらキャリアを自分で築いていく、そういった方が働く若手のなかで増え始めた時期のように感じます。教育のほうではいかがでしょうか。
今日は、ご自身もゆとり世代として、等身大にして鋭くかつ広い視野をお持ちの教育社会学者の福島さんとの対談ということで、大変楽しみにしてきました。2020年から新学習指導要領が小学校で全面実施され、翌年、翌々年で中学・高校へと広がっていきますね。教育現場の反応はいかがでしょうか。